寛一郎が『グランメゾン東京』の6話で覚醒、父とはタイプが異なる役者になるか

俳優

『グランメゾン東京』が相変わらず面白い、というか感動する。6話の中心キャストは芹田公一役の寛一郎(かんいちろう)。ここにきて、ようやく彼の魅力が伝わってきた。

『グランメゾン東京』の木村拓哉が魅力的、総合力の高さが面白さにつながっている

5話までは相当物足りなかった

父(佐藤浩市)も祖父(三國連太郎)も映画界を代表する名優だ。寛一郎を見るのは『グランメゾン東京』が初めて。1話はサラブレッドの芝居に注目していた。ところが、期待に反して相当物足りない。正直、がっかりした。すぐにプロフィールを調べてみた。何やら演技力の高さが評価されている様子。しかし、そのほとんどは映画賞の新人賞を受賞するにとどまっている。出演作を見ていないので想像するしかないが、大物俳優の息子なので将来性を期待されての受賞だったのではないだろうか。

6話の後半、自然に内面から湧き出た感情を表現

父も祖父も重厚な演技が特徴の役者だ。顔は父に似ているが、あまりに線が細すぎる。あるいは見習いという情けない立場の役なので光って見えないのか。しかし、2話以降も印象は変わらない。単なる親の七光り、イケメン俳優で終わってしまうのか。そう思っていた中で6話が放送された。前半もやはり印象は変わらずに軽い。そして、後半に見せ場が訪れた。尾花たちへ裏切りの告白をした後に、もう一度仲間に加わりたいと願うシーン。じんわりと目を真っ赤にして、自然に感情の高ぶりを表現する。テクニックではなく、内面から湧き出ている感じ。まだ2年の経験しかない俳優。ここで初めて、血筋のよさを実感した。

いい監督に巡り合えば、さらに突き抜けそうだ

寛一郎は親の七光りではなかった。役者としてポテンシャルの高さが感じられたから『グランメゾン東京』のキャストに加えられたのだろう。複雑な家庭で育ってきた境遇を想像させるような繊細な表現力が魅力。父や祖父とはタイプが異なる。いい監督(演出家)に巡り合えば、さらに突き抜けそうな懐の深さも感じられた。今後の活躍に注目だ。

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この記事を書いている人

シュン(@shundrama)。ドラマ好きなおやじ。これからブレイクする俳優や女優を見つけることをライフワークとしている。