2016年夏クールの連ドラは、平均的に二桁の視聴率をキープしている『家売るオンナ』がトップを走っている。北川景子の怪演に加え、脇をかためる役者たちも魅力的。その中で注目したいのは、回を追うごとに良化している庭野聖司役の工藤阿須加(くどうあすか)だ。
初回までの演技は物足りなかった
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— 【公式】日テレ「家売るオンナの逆襲」 (@ieuru2016) August 29, 2016
「父はソフトバンクホークス監督の工藤公康」。
俳優として知名度が高いとはいえないので、まだこんなフレーズを使いたくなる。事務所は江口洋介や瑛太が所属するパパドゥ。きっかけはお父さんだったとしても、俳優としての資質の高さがかわれて、この事務所に入ったと思っていた。だから、ずっと気になっていたが(『偽装の夫婦』で宅配業者役、工藤阿須加の成長力に期待)、『偽装の夫婦』(2015年)に至るまでは物足りなさがあった。もっといえば『家売るオンナ』(2016年)も初回を見た段階で「まだこんな程度の演技をしているのか」と感じたくらい。
ただ一生懸命で真面目な役柄はつまらない
素の工藤阿須加は知らないが、作品上は好青年という型にはまったキャラクターが目立つ。『家売るオンナ』の庭野も同じ。ただ、ちょっと違うのは、ビジュアル的にはイケているが仕事はできない好青年。やや変化球できている。初回ではそのキャラクターを演じ切れていなかった。ただ一生懸命、真面目さが伝わってくるだけ。
演出家との呼吸が合い、エンジンがかかってきた
それが何話目だったかは忘れたが、やりすぎ感のある演技がはまった瞬間があった。やっと演出家(猪股隆一、佐久間紀佳、山田信義)との呼吸が合ってきたようだ。特にいいのは笑わせる演技。この調子でコメディという得意のフィールドが持てれば飛躍が期待できる。そろそろ若手は卒業しつつある25歳。ようやく工藤阿須加のエンジンがかかってきたようだ。
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