昨年、剛力彩芽はしばらく女優の活動を休止し、歌手活動に専念すると宣言していた。あらためてプロフィールを眺めてみたが、ちっとも女優業が途切れている印象がない。今年は春クールの『ドクターカー』に続き、夏クールは『グ・ラ・メ! ~総理の料理番~』。それでなくても叩かれやすいのに、こういう露出の仕方も反感を買うんだよなあと思っていた。ところが、『グ・ラ・メ! 』のあまりの面白さに、そんなちっぽけな思いは吹き飛んでしまった。
滝藤賢一と高橋一生が及ぼす影響に注目していた
初めに断っておくが、僕は剛力彩芽のことは嫌いではない。大好きだった上戸彩や快作をかっとばしていた米倉涼子が所属するオスカープロモーションの女優。バッシングを受けていた時も、好意を持って注目していた。ただ、いまは勢いが落ちているので、このドラマに関して放送前にもっとも注目していた点は滝藤賢一と高橋一生の出演だった。超脇役の贅沢な共演。個性派の二人が剛力彩芽主演作にどのような影響を及ぼすのか興味があったのだ。
やけに剛力彩芽が色っぽい
そして迎えた初回の感想。「何だ、この面白さは。やけに剛力彩芽が色っぽいぞ」。
作風は異なるが、政界を舞台にしていることもあってか『民王』(2015年)を思い出した。それもそのはず、放送枠は同じテレビ朝日の金曜ナイトドラマ。なるほどそうだったなあと思い出して、あらためてスタッフを調べてみた。
原作:『グ・ラ・メ! ~大宰相の料理人~』/作・西村ミツル 画・大崎充(新潮社)
主題歌:『カラーバリエーション』ケツメイシ(avex trax)
脚本:菱田シンヤ
音楽:富貴晴美(『マッサン』)
ゼネラルプロデューサー:内山聖子(『ドクターX』シリーズ、『サムライせんせい』『エイジハラスメント』『天使と悪魔 未解決事件匿名交渉課』『死神くん』『聖なる怪物たち』)
プロデューサー:中川慎子(『エイジハラスメント』)、浅井千瑞(『エイジハラスメント』)、神通勉(『スミカスミレ 45歳若返った女』『エイジハラスメント』)
演出:常廣丈太(『グッドパートナー 無敵の弁護士』『死神くん』)、落合正幸(『聖なる怪物たち』)、小松隆志(『スミカスミレ 45歳若返った女』『エイジハラスメント』)
『民王』に関わったスタッフはいない
何と主要スタッフの中に『民王』に関わった人はいなかった。いまのところ第2話まで見たが、興味の一つが剛力彩芽を魅力的に見せる描写。もっとも関係がありそうなのは演出だが、どうもピンと来る人がいない。もっと具体的にいえば撮影と編集あたり(録画を消していないので調べれば名前はわかるかも)。
恋しているかのように印象が変わっている
時に柔らかく艶感のある光で撮影し、そのシーンが効果的に見えるように、剛力彩芽が魅力的に見えるように編集されている。『ドクターカー』(日本テレビ)の彼女とは段違いの見え方。私生活で恋でもしているんじゃないかと思わせるくらいに印象が変わっている。
『グ・ラ・メ! 』は2016年のベスト10候補
彼女は脚光を浴びてから随分経つので意外な感じだが、年齢はまだ23歳。ベテラン陣ががっちりと脇をかためて最高の状態が整った中で演技を展開。彼女にとって『グ・ラ・メ! ~総理の料理番~』が代表作になるのは間違いないだろう(2016年のベスト10候補にもなりそう)。本作を経て女優としてもう一段階ギアが加速しそうだ。
この記事を書いている人