視聴率のことはともかく、『ラヴソング』のヒロインに抜擢された藤原さくらは予想以上にいいものを見せてくれた(『ラヴソング』の藤原さくら、演技力というよりは感受性の鋭さが印象的)。そして、菅田将暉はさらに想像を越えるものを披露していた。
喜怒哀楽を振り幅全開で表現
放送開始前、彼について「型にはめたら面白みがなくなる」と心配していた(菅田将暉は『ラヴソング』成功の鍵を握る存在)。しかし、そんな心配はいまの菅田将暉には無用だった。天野空一に扮し、感情の起伏幅が半端じゃないキャラクターを見せているのだ。
・「喜」~中村真美(夏帆)が結婚の報告をしたシーンではしゃぐ様子。
・「怒」~神代広平(福山雅治)に殴りかかるシーンでの迫力。
・「哀」~真美が上京するシーンで別れ際に乱れる様子。
一例を挙げると、こんな感じ。「楽」もあったと思うので、つまりは初回だけで喜怒哀楽を振り幅全開で表現していた。
少ないチャンスをものにする力がある
ドラマの中心は福山雅治と藤原さくらだから、前半で二人に関する描写が多いのは仕方がない。しかし、今後は菅田将暉にも相当大きな見せ場が待っているはずだ(両親から虐待を受けてきて心に傷を負った役柄でもあるため)。そして、そのチャンスを確実にものにする役者としての力量が、いまの菅田将暉には備わっている。
飛び抜けたスケール感はスクリーン向き
はっきりいって、お金を払わなくても見ることができる連ドラに出演しているのはもったいない。飛び抜けたスケール感は大画面向き。スクリーンで見るべき俳優だ。調べてみたら、これから公開される映画が数多く控えていた。
『ディストラクション・ベイビーズ』(2016年5月21日公開)
『二重生活』(2016年6月25日公開)
『セトウツミ』(2016年7月2日公開)
『何者』(2016年10月15日公開)
『デスノート 2016』(2016年10月29日公開)
『溺れるナイフ』(2016年秋公開予定)
『帝一の國』(2017年公開予定)
完全に映画界へシフト、世界に飛び出すか
何と7本、もう完全に映画界へシフトしている感じ。一緒に組むプロデューサーや監督次第では世界での活躍も期待される。2016年は『ラヴソング』を最後に、一旦連ドラへの出演は途絶えるかもしれない。映画館に行かない人は、ここで菅田将暉を見ておかないとしばらく彼の勢いをリアルタイムで感じられなくなると思うよ。
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