香取慎吾主演の『家族ノカタチ』が終了、僕の中ではとても心に残るドラマとなった(『家族ノカタチ』は低視聴率で終わろうとも、香取慎吾の代表作になる)。しかし、視聴率的には失敗。TBSとしては次の日曜劇場は何としても数字がほしいはずだ。そして、その期待を背負って登場するのが4月17日(日)からスタートする『99.9-刑事専門弁護士-』。主演の重責を担うのは、ジャニーズの失敗はジャニーズでということで松本潤である。
松本潤の代表作といえば平均視聴率19.8%を記録した『花より男子』(2005年)だ。続編の『花より男子2(リターンズ)』(2007年)は21.6%でさらに大成功を収めた。でも、これはテレビ界全体で視聴率が取れていた時代の連ドラ。彼は視聴率が取れる役者なのか、最近の作品を調べてみた。
『スマイル』(2009年)→平均10.2%
『夏の恋は虹色に輝く』(2010年)→平均12.3%
『ラッキーセブン』(2012年)→平均15.6%
『失恋ショコラティエ』(2014年)→平均12.3%
何とか二桁をキープしているといったところで、それほど凄い実績を残しているわけではない。いま、どうして松本潤なのか、疑問は残る。
ここで断わっておくが、僕は松本潤のファンではない。しかし、彼が出演している連ドラは好きだ。総じていえばラブストーリーが似合う男。どういうわけかヒロインが魅力的に見えるのだ。
『花より男子』シリーズでは井上真央の魅力が全開。最近、結婚間近との噂もある。唐突な感じを受ける松本潤の日曜劇場の起用は、放送前後で衝撃のニュースが用意されているという背景があるのかもしれない(サプライズで視聴率がアップ)。『スマイル』では人気のピークが長い新垣結衣がピカピカに輝いていた。『夏の恋は虹色に輝く』では全盛期を過ぎながらも竹内結子は魅力的で、たどたどしい演技の桐谷美玲にもドキドキさせられた。『失恋ショコラティエ』では石原さとみが大人の魅力を開花させた時期と重なっていた。
キャスティングを担当する人(ブレイン)が素晴らしいのか、彼が女優の魅力を引き出すのがうまいのか。実際のところはよくわからないが、僕にとっては女優の輝きと共に松本潤の主演作は心に残るのである。
さて、前置きが長くなったが、『99.9-刑事専門弁護士-』の話題に触れていこう。まずはキャストとスタッフの紹介から。
キャスト:松本潤、香川照之、榮倉奈々、青木崇高、片桐仁、マギー、渡辺真起子、馬場徹、映美くらら、池田貴史、岸井ゆきの、藤本隆宏
脚本:宇田学(『ラッキーセブン』)
トリック監修:蒔田光治(『MONSTERS』『MR.BRAIN』『トリック』シリーズ)
音楽:井筒昭雄(『民王』『医師たちの恋愛事情』)
プロデュース:瀬戸口克陽(『名もなき毒』『運命の人』『獣医ドリトル』『スマイル』『花より男子』シリーズ)、佐野亜裕美(『ウロボロス』)
演出:木村ひさし(『民王』『安堂ロイド~A.I. knows LOVE?~』『ATARU』)、金子文紀(『コウノドリ』『名もなき毒』『SPEC(スペック)』)、岡本伸吾(『ナポレオンの村』『天皇の料理番』)
スタッフの核は『花より男子』シリーズを手掛けた瀬戸口克陽。松本潤の魅力を知る重要な人物だ。そして、前述した説明に話題をつなげていけば、今度のヒロインは榮倉奈々となる。しかし、正直なところこれまでと比べるとかなり弱い。そう考えると『99.9-刑事専門弁護士-』は他局ではあったがラブストーリー色が薄かった『ラッキーセブン』に近い位置付けの作品ともいえる(脚本家の一人は『99.9-刑事専門弁護士-』を手掛ける宇田学)。実は近年の松本潤主演作ではこれがもっとも視聴率が高かった。ラブストーリーに重きを置いていないならば、ここでのポイントは女ではなく男。隠れた視聴率男、香川照之の存在が鍵を握りそうだ。
香川照之が重要な役を演じた『半沢直樹』(2013年)は平均28.7%を記録。今回、真逆のキャラクターの弁護士を演じる二人のかけあいが内容と数字の両面を高めていくことになるか。若さで突っ走ってきた松本潤も既に32歳。俳優としてのステイタスを高める上で、最大のパートナーを得たのかもしれない。
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