『下町ロケット』のキャストの中で、いつか触れておきたいと思っていてここまで来てしまったのが、帝国重工の宇宙航空部本部長、水原重治役の木下ほうか(きのしたほうか)だ。
イヤミ課長がドラマデビュー!?
いまでは『痛快TV スカッとジャパン』でイヤミ課長(馬場課長)を演じているタレントといった方が知られているかもしれない。あえて「俳優」ではなく「タレント」と書いたのは、『下町ロケット』の放送開始頃、ツイッターであるつぶやきを見かけたからだ。
「ついにイヤミ課長がドラマデビュー」。
確かこんな感じの内容だった。いやいや、それは逆。木下ほうかは「元々俳優でバラエティの役が大当たりしただけだよ」って突っ込みたくなった。でも、これは木下ほうかに対する世間の認識を象徴しているとも思った。
どこか冴えない役者だった
彼の俳優歴を眺めてみると、僕が初めて見た出演ドラマは『あなたの隣に誰かいる』(2003年)になる。その後、ずっとドラマで見かけてはいたが、冴えない役者の一人だと感じていた(演技が下手という意味ではない)。そして、ようやく彼の名前と存在をはっきりと認識したのが『昼顔~平日午後3時の恋人たち~』(2014年)の編集長役。これがまた嫌味な役で、その直後に『スカッとジャパン』に出ていたから影響は与えていたと思う。
普段は物腰柔らかな人
さて、本題の『下町ロケット』だが、あらためてこの人の本業は役者なんだと実感した。普段は物腰柔らかな感じなのに、ここでは見事なまでに嫌味な本部長というキャラクターに変わっている。これ、演技が下手だったら地が出てしまってそれらしく見えない。やっぱり演じることが職業の役者なのだ。そんなに出番はないとは思うが、登場シーンではしっかりと存在感を示す彼。ただいま絶好調、これからも木下ほうかから目が離せない。
この記事を書いている人