『下町ロケット』の放送開始前、視聴率を左右する最大のキーマンは吉川晃司で(進化し続ける「俳優・吉川晃司」、『下町ロケット』での一発に期待)、その次が新井浩文(あらいひろふみ)だと予想していた。しかし、実際に本編を見て、新井浩文の役柄にはかなりの物足りなさを感じている。
吉川晃司をカバーする役割か
ここでは帝国重工の宇宙航空部主任、富山敬治の役。財前部長と行動を共にすることが多いのは、演技派の新井浩文が役者としてのキャリアが浅い吉川晃司をカバーする役割があるのかと思っていた。またはキーマンの共演による相乗効果。しかし、いまのところそれもあまり功を奏している感じがしない。
エリート役は似合わない
それから、ここが物足りなさのポイント。今回の役柄は大企業のエリート社員である。今年、彼が連ドラで演じた役は以下の通り。
『アイムホーム』→花形である第1営業部のエース
『ど根性ガエル』→パン工場の若社長
すべてがエリート。まるで俳優としてのいまの地位がそのまま役柄に反映されているようである。しかし、個人的に新井浩文に対しては、エリートや普通の道からはずれた真逆の役柄に魅力を感じるのだ。その辺りについては、以前ちょっと触れたことがある。
しょうもないクズの役がいい
基本的に彼は私生活では酒呑みである。そんな飲んだくれて演じるような、浮遊感のあるキャラクターが見たいのだ。
例えばしょうもないクズなんかがいい。でも、ここでグダグダ書いたところで、既に『下町ロケット』のキャラクターは決まっているのだから仕方がない。ならば、せめてワルの部分を出してくれるといいなあと思っていたら、第4話でその辺りが出てきそうではないか。やっと新井浩文の真骨頂がちょっとだけ見られそうなので楽しみ。
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