『下町ロケット』の放送開始前、視聴率を左右する最大のキーマンは吉川晃司だと予想していた(進化し続ける「俳優・吉川晃司」、『下町ロケット』での一発に期待)。しかし、実際に見てみると、その予想はいい意味ではずれた。数多くの脇役が見事なまでに自分の持ち味を発揮し、一つの作品として高い総合力を保っていたからだ。
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初回の吉川晃司には落胆
いま吉川晃司に対する評価、評判は真っ二つにわかれているようだ。
「とにかくカッコイイ」
「演技が下手」
僕は初回を見た段階で、吉川晃司には落胆した。立ち振る舞いが現場の雰囲気に合っていないのだ。突っ込まれて話題になることを狙ったのかもしれないが、大企業の部長があんな極端にウエストの絞り込まれたスーツを着て仁王立ちするだろうか。これまで築き上げてきたアーティストとしてのプライドが出てしまっているようで、演技者としてはまずいなあと感じていた。
それでも主演の阿部寛を筆頭に脇を固める役者の本気度が凄いので(おそらくスタッフも)、それを感じ取っていけば変わっていくに違いないと思っていた。そして、第2話を見てから「俳優・吉川晃司」については触れようと考えていた。
吉川晃司の演技はまあまあ、見ていてハラハラ
そして、第2話を見た。結論から書けば、吉川晃司の演技はまあまあ。ただ、見ていてハラハラした。まわりの演技が凄いので、ちょっとでも演じる空気が違うと目立ってしまう。ギリギリ最低限の演技力は保っていた。
吉川晃司には人間臭さを表現してほしい
おそらく撮影現場はもの凄い緊張感と熱気に溢れていると思う。それらを受けて今後期待したいのは、「かっこよさ」を追い続けてきた吉川晃司が財前部長役を通じてボロボロになって人間臭い部分をさらけ出すこと。もちろん脚本や演出にも関係するが、それが出れば現場との一体感が生まれ、さらなる爆発力につながる。第3話も出演シーンは多そうだし、やっぱりいろんな意味で吉川晃司からは目が離せない。
追記:先ほど第2話の視聴率が出た。初回16.1%を上回る17.8%。第2話の視聴率は下がるのが一般的なので珍しい。『半沢直樹』(2013年)みたいな数字の動きをしていくのかも。
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