『ウロボロス』に出演している生田斗真は演技にリアリティがある。実際、何か深い闇を抱えているように感じるのは僕だけだろうか。
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幼なじみが警察とヤクザにわかれ、殺人事件の犯人を探す話
児童養護施設・まほろばで育った龍崎イクオの役。幼なじみが段野竜哉(小栗旬)だ。ある日、施設職員の結子先生(広末涼子)が何者かに殺される。二人は犯人への復讐を誓い、警察とヤクザという相反する世界に属して真犯人を追い求めていくというストーリーだ。
生田斗真は闇を抱えているように見える
ここでは闇を抱えているキャラクターなので、そう見えるのは演技のうまさを証明しているともいえる。しかし、彼に対してそう感じたのは、いつからだったかは思い出せないが、『ウロボロス』に出演する前からだ。
役柄にどっぷりとハマってしまう性格か
ジャニーズ事務所としては異色のタレントで、ほぼ俳優一筋。この辺りは風間俊介にも通じるものがある(怪優・風間俊介の次作は、視聴率が心配な『あすなろ三三七拍子』)。育った環境はまったくわからない。人物像を調べてみると、「真面目」「誠実」というキーワードが見えてくる。ということは、仕事に対しては一生懸命に取り組む人なのだろう。演じるキャラクターにどっぷりとハマってしまう性格なのかもしれない。もし、それが暗いキャラクターだったら、私生活で心が落ちてしまうという危険性もある。そこで出演歴を調べてみると、妙にひっかかる部分があることに気が付いた。
映画デビューは太宰治の『人間失格』
ドラマ『世にも奇妙な物語 秋の特別編「自殺者リサイクル法」』(2009年)
映画『人間失格』(2010年)
映画『脳男』(2013年)
深夜枠の連続ドラマだったが、『魔女裁判』(2009年)で初主演を務めた後、彼は映画界へ飛び出して行った。そのまま、ドラマ界で仕事をしていれば順調に主演作をこなしていたと思う。しかし、彼はそれをしなかった。当時、本当は映画をやりたかったのかと思っていた。そして、初めて選んだ作品が太宰治のあの『人間失格』である。
生田斗真には「死」がチラつく
巷では明るいキャラクターで通っているが、生田斗真には何だか「死」がチラつく。僕が感じていることが現実に起こらなければいいが…。
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