波瑠が怒涛の勢いと底力で『ON 異常犯罪捜査官・藤堂比奈子』を成功に導くか!?

視聴率のことはさておき、2016年春クールの連ドラは秀作揃いだった。既に夏クールのラインナップが発表されているが、キャスト的に注目しているのは春クールから続投の波瑠(はる)。今度はフジテレビの火曜夜10時枠で放送される『ON 異常犯罪捜査官・藤堂比奈子』で、民放連ドラ初の主演に格上げとなって登場する。

彼女について触れる前に、作品について少々。

キャスト:波瑠、要潤、高橋努、百瀬朔、佐藤玲、伊藤麻実子、林遣都、奥貫薫、光石研、原田美枝子、渡部篤郎
原作:内藤了『ON 異常犯罪捜査官・藤堂比奈子』シリーズ(角川ホラー文庫刊)
脚本:古家和尚(『スミカスミレ 45歳若返った女』『ウロボロス ~この愛こそ、正義。』『S -最後の警官-』『PRICELESS ~あるわけねぇだろ、んなもん!~』『37歳で医者になった僕 ~研修医純情物語~』 )
音楽:菅野祐悟(『ラヴソング』『銭の戦争』『花咲舞が黙ってない』シリーズ、『安堂ロイド~A.I. knows LOVE?~』『ガリレオ』シリーズ、『37歳で医者になった僕 ~研修医純情物語~』)
演出:白木啓一郎(『サイレーン』『銭の戦争』『37歳で医者になった僕 ~研修医純情物語~』)、宝来忠昭(『孤独のグルメ』シリーズ)
プロデューサー:河西秀幸(『サイレーン』『銭の戦争』)、萩原祟、石田麻衣


ON

ハズレが少ない刑事ものである。波瑠が演じる主人公は心に闇を抱える新人刑事。平均12%台で着地しそうな『世界一難しい恋』の好演を受けての主演作なので期待は高い。しかし、この放送枠が問題だ。『僕のヤバイ妻』が放送される前にも触れたが(『僕のヤバイ妻』で高橋一生がヤバイ演技を披露!?)、視聴率は惨敗続き。近4作の平均視聴率は次の通りである。

『HEAT』/主演:AKIRA→4.1%
『サイレーン』/主演:松坂桃李→9.2%
『お義父さんと呼ばせて』/主演:遠藤憲一、渡部篤郎→6.9%
『僕のヤバイ妻』/主演:伊藤英明→8%前後(6月14日が最終回)

実は波瑠がこの放送枠の主演を務めることを知った時、ちょっと違和感を抱いた。これまでの主演陣とは圧倒的に勢いが違うからだ。フジテレビの「何とかしたい」という思いが伝わってくる。すっかり主演級の女優になった波瑠だが、ロングヘアで活動していた時代のイメージからはいまの姿は想像できなかった。

初めて出演した連ドラは『14才の母』(2006年)。その後の出演作で強く印象に残っているのはテレビ朝日の深夜に放送された単発ドラマ『ゴーストタウンの花』(2009年)だ。主人公を演じた桜庭ななみの親友で、ギャル風の女子高生役。作品はとても好きだったが、この時の波瑠に対する女優のイメージは軽くて、すぐに消えるだろうという悪い印象を持っていた。その後も出演作を見ているが、僕の中では素通り。そのような中、NHKの連続テレビ小説『あさが来た』(2015年)のヒロインに選ばれたニュースを目にして、「そんなバカな、成功するわけがない」と思っていた。


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ところが、『あさが来た』は平均視聴率23.5%を記録して大成功(最終回は27.0%)。夏目雅子の再来とも称され、それでもまだ「そんなバカな」と感じている自分がいた。そして、女優として大きな実績を積んだ波瑠が『世界一難しい恋』で民放の連ドラに戻ってきた。はるか昔に消えると予想していた女優は、驚くほどに華やかな蝶に変貌。バカは僕だった。

いまや国民的スターとなった波瑠。『ON 異常犯罪捜査官・藤堂比奈子』は、また僕の予想を覆して好視聴率で着地するのだろうか。いまさらながら、彼女の底知れぬ力に注目している。

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