『ラヴソング』の藤原さくら、演技力というよりは感受性の鋭さが印象的

『ラヴソング』の初回が放送された。視聴率は驚きの10.6%。散々叩かれた前クールの『いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう』が11.6%だったからひどい数字だ。もう平均一桁は決まりか。少しだけ心配していたけれど、結婚すると一気にファンは冷めるんだね(福山雅治の『ラヴソング』、爽やかな空気感が漂う内容を希望)。しかし、内容的にはよかった。そして、藤原さくらは予想以上にいいものを見せてくれた。

まさか吃音を抱えている役柄だったとは。ネット上で「演技がうまい」とかいう意見を見かけた。確かにいいシーンもある。しかし、当然のことながら女優としては粗削り。特にキーポイントとなる会話をするシーンでは、それほどうまいとは思わなかった。実際、吃音の人と何度も接してきたことがあるけれどあんなもんじゃない。もっと全身に力を入れて苦悶するように声を出す。まあ、この辺りは専門家じゃないので詳細に触れるのはやめておこう。

それよりも、藤原さくらは感受性が鋭い子だなあと思った。キャラクターを体で感じながら、憑依したかのように表現している。そして、実際泣けるようなシーンも生み出していた。女優は様々なキャラクターを演じる職業。まだ、別のキャラクターを見てみないと判断はつかない。しかし、ミュージシャンとしてはいけると思った。

その理由は感じたことをきちんと表現できるから。自分のフィルターを通して内面から出てくるものがあるから、人を感動させる職業には向いていると思う。放送前の記事で「あまり作曲にこだわり過ぎると壁を越えられないような…」と書いたけれど(『ラヴソング』でヒロイン、藤原さくらは勝算があっての起用)、人生経験を積んだらいい曲が作れそうな雰囲気は持っている。

中島美嘉を輩出した『傷だらけのラブソング』(2001年)は、まだ視聴率が取れていた時代だったのに平均9.7%で惨敗した。しかし、その後彼女はアーティストとして、当時の女王だった浜崎あゆみを脅かす存在にまでのぼりつめていった。音楽性は違うけれど、藤原さくらにもそんなイメージが重なるんだよなあ…。

(関連記事)
『ラヴソング』で暴れまくり、いま菅田将暉の勢いを見ておかないと後悔する